-
八画文化会館vol.9 特集:商店綜合型録
¥1,980
今号の特集テーマの「商店」は、5号の「駅前文化」、8号の「商店街」に続いて、編集部が追ってきた「旧市街地への旅」シリーズの完結篇ってことにしようと思う。有名観光地じゃなくても日本各地には”銘都”と呼びたい素晴らしい旧市街地がたくさんあって、かつての賑わいの痕跡をあちこちで目にすることができる。駅前の雑居ビルや、商店街のピカピカ輝くアーチ、そして個性的な商店の連なり。装飾テントや看板などの細部にまで工夫が凝らされた商店の外装は、訪問者の目を惹きつけてやまない。軒を連ねた商店のディテールの積み重ねが商店街となり、駅前文化を形成して銘都の賑わいを演出しているのだ。ひとつひとつの商店こそが旧市街地の賑わいを支えているといっても過言ではないー―。なんて堅苦しい理屈を抜きにしても、個人商店がいい感じなのは旅好きのみんななら頷いてくれると思うんだけど、じゃあ商店の何をどう見たらいいんだろう。 そう思いながら商店を探して知らない町を歩いていた時に、遠くの方に何か店舗があるのが見えた。遠くてはっきりわからなかったけれど、なんとなく美容院じゃないかと思った。でもなんでおぼろげな佇まいだけで特定の業種が思い浮かんだんだろう。「業種ごとに共通のスタイルがあって通行人にすぐに何屋か訴求できるようになっているからだよ」って正論を唱えてしまいそうになったんだけど、ちょっとよく思い出してみてほしい。じゃあその細部を「よく見た」ことってあっただろうか? 「なぜ三本の線があるとコンビニだと思うんだろう?なぜクリーニング店には動物のマスコットが多いんだろう?なぜ薬局の張り紙はおしゃべりなんだろう?」じっくりと見ていくとたくさん疑問が浮かんできて今まで見えてなかったものが見えてくるようになってきた。すごく楽しい。特集するにあたっては、いま記録しないと失われてしまいそうな「昼間に買い物をしたりサービスを受けたりするための個人商店」をメインに据え、昭和の商店文化とは切っても切れない存在のスーパーマーケットはチェーン店も含めて取り上げた。 7年以上かけて撮り集めてきたこれらの商店のなかには消えてしまったものもたくさんある。町の入れ替わりの激しさに思わずため息が出てしまうけど、だからこそまだあるお店は、ただ存在していてくれるだけで充分。ハイペースに移り変わる町並みのなかで、変わらない姿を見せてくれてるだけで尊いから。大きい波に流されずにマイペースに建ってる商店をゆっくり眺めて、束の間でもそこで過ごせたら、それはとてもしあわせな休息。のんびり歩いたって退屈じゃないし、知らないまちの日常圏を見聞すれば自分の町の魅力や独自性に気づくこともできる。「君のまちにある商店はなんて素敵なんだろなぁ。でも僕のまちにある商店も素敵だったんだなぁ」そんな風にみんなが自分の住んでいる場所の魅力に気づく、ひとつの視点になれたら望外の喜びだ。 (編集のことばより) ◆最終特集◆ 商店綜合型録 松村大輔・碍子系・JP-SUPER・酒井竜次・石川春菜 ■巻頭グラビア ■理美容院・クリーニング店・メガネ店・電気店・薬局・スーパーマーケット ■ピンポイント鑑賞FILE ■商店を見るならこんなふうに。 おもしろ過ぎて気が散っちゃうよ。(ビロくん)/欲しくなる外装探してます。(卒業生代表)/装飾テントが効いてるね。(内海慶一)/やってるかい?渋い町並みで右左(武部将治)/営業時間外に宿る美しさを求めて(だみあん君)/地下街の矢印に誘われてみる。(Towers) ■座談会「商店文字の話をしよう」藤本健太郎・松村大輔 ■緊急ルポ「商店と新型コロナ」鹿取茂雄 ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「楽器屋・レコード屋・本屋・模型屋つれづれ」高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(オールカラー) 【発行】2022/06 【デザイン】吉川英夫(nout) 【ジャンル】商店街、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築
-
八画文化会館vol.8 特集:商店街ノスタルジア
¥1,980
八画文化会館を立ち上げて10年になりました。気づけば2010年の創刊準備段階からぶらぶら歩いてきた編集部の商店街散歩記録がたまっていたので、今号は商店街特集です。文字、銘都、団地、パチンコ、廃墟、美容院など独自の切り口で町歩きをしている愛好家仲間にも協力してもらいました。それぞれ別の対象を追いかけていても、商店街に寄せる関心は熱く「すべての道は商店街に通じている」んじゃないかとさえ思えてきます。 商店街は、昭和時代の買い物様式を後世に伝える遺跡です。地域の生活を支えた日常遺産であるとともに、街の中央に輝く都市の象徴でもありました。商店街は「道」であり「街」だったのです。また、どこも似ていることも商店街の注目すべき点です。「すべての幸福な家庭は互いに似ている。不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である」と異国の文豪が言ったように、商店街は幸せの象徴だったのかもしれません。しかしどの土地にもある「ありふれた場所」に目を凝らし細部まで観察してみると、多くの人々の記憶が堆積した唯一無二の場所だと感じられます。 それぞれの土地にノスタルジアが掻き立てられる原風景のような商店街がありましたが、「道」、「物」、「人」の流れの変化により衰退が危惧されています。人々の想い出が集積された愛着のある場所が、抜け殻のように風化した町並み。商店街がなくなると町の匂いが消え、歓楽街がなくなると町の灯が消えてしまいます。どの土地であっても「ここにいてよかった」と小さな幸せを感じさせてくれる商店街の灯りが、この先少しでも多く残っていますように。 (編集のことばより) ◆特集◆ 商店街ノスタルジア ■巻頭グラビア ■編集部対談 商店街鑑賞のススメ Special guest松村大輔 ■ノスタルジア備忘録 酒井竜次 ■都市秘境マーケット 戦後の原風景をとどめる市場10選 ■全国銘商店散策 forestbk ■団地商店街の歩き方 チーム4.5畳 ■商店街パチンコ鑑賞 栄華 ■12人に聞きました!マイフェイバリット商店街 ■失われゆくレトロピアの記録 柳ケ瀬商店街高島屋南地区 TEAM酷道よごれん ■不思議な商店街パトロール調査 ■コラム&エッセイ 「商店街に寄り添って暮らす理想の生活」を妄想する(玉置標本)/商店街を歩く理由「焦点を外に」(終末オトナ遠足 エロ司)/対立から共存の時代へ「商店街と大型店」(Jp-Super)/シャッターの向こう側。(高橋さよ)/商店街の本屋 いつもの朝(ブックスルーエ花本武) ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「追憶の徳島しんまち界隈」(高木壮太) ◆参加メンバー◆ 酒井竜次/石川春菜/松村大輔/forestbk/チーム4.5畳 けんちん・UC・tamazo/栄華/タケムラナオヤ/道民の人/ムサシノ工務店/藤本健太郎/村田あやこ/三文字昌也/内海皓平/Towers/碍子系/ケブカグラフィックス/ふゅーりー/TEAM酷道 よごれん/玉置標本/終末オトナ遠足 エロ司/JP-Super/高橋さよ/ブックスルーエ 花本武/高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/1c32p) 【発行】2020/07 【デザイン】鈴木隆文(buzz design) 【ジャンル】商店街、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築
-
八画文化会館vol.7 特集:I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き‼
¥1,980
SOLD OUT
娯楽の殿堂の面影を残したオールドスクールなパチンコホールに焦点を当てた、丸ごと1冊「パチンコホールが大好き」特別号! 監修は2300軒もの店舗を巡り歩いて記録を撮り、パチンコ一筋の人生を送っているパチンコライターの栄華さん。2015年に知り合ってから交流を重ねていくにつれ、彼女のパチンコに対する思想や活動に共鳴し、足掛け5年かけて制作した渾身の特集です。 気合いを入れて取り組むきっかけになった出来事があります。栄華さんと名古屋の町歩きをしながら「こんなに派手にネオンを光らせて街中で目立っているのに、パチンコホールって見られてないんじゃないか」と話したことです。古いパチンコ台には愛好家がいますが、ホールは未だ対象になっておらず、路上観察のテーマとしてもスルーされがち。その佇まいが注目されることは非常に少なく、競馬など公営競技と比べても文化的な評価が進んでいません。これは本誌で特集すべきテーマだと思い制作を開始しましたが、しかしパチンコを特集するというと周囲の反応はまっぷたつ。「いいね、パチンコ打ってたよ」という好意的な意見と、「パチンコは大嫌い、子供に見せたくない、近隣の文化水準を下げている」という否定的な意見。今まで取り組んできたテーマでは、これほどの賛否両論はありませんでした。 戦前には子供の娯楽だったパチンコ。敗戦後には焦土となった日本各地に娯楽と慰めを与え、庶民の娯楽の殿堂として親しまれました。最盛期には4万軒以上あったとも言われ、連チャン機やフィーバー台などで大人を熱狂させ、CR機に変化した90年代には30兆円市場に成長しました。しかし栄光の裏には、射幸性の高さによるギャンブル依存症問題や、暴力団との癒着、駐車場に子供を置き去りにする事件が発生するなど、負の歴史もあり、健全な社会の構成員たちから眉を顰められてきました。しかしグレーと指摘される景品買取の小窓には、戦争で一家の働き手を失った寡婦や障碍者などが働き、職業選択自由が少なかった在日朝鮮人がメーカーや店舗で働くなど、社会の受け皿になってもいたのです。そういった怪しくも魅力と活気溢れる昭和・平成のパチンコ店にも衰退の危機が訪れ、清潔で明るいものへと変化せざるを得ない状況になりつつあります。今まさにオールドスクールなパチンコ店を、評価する時期に来ていると言えましょう。 「パチンコ店は下に見ていいという、固定化された眼差しを解放したい」と栄華さんは言います。軽蔑や無関心により見えなくなっている、パチンコホールの美しさや独自の存在感に光を当てることが、本特集の意義です。パチンコホールは、日本独特の町を構成する重要なエレメント。今までパチンコ店が視界に入らなかった人に少しでも興味を持ってもらえるように、また誤解や偏見が解けるよう誌面作りに励みました。本特集がパチンコ文化の裾野を広げるきっかけになることを願っています。(編集のことばより) ◆特集◆ I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き!! ■巻頭グラビア パチンコホールの「発見」 ■公開対談 パチンコホール鑑賞は路上観察になるか!? ■栄華流 ホール鑑賞入門 これでわかる大解説!パチンコホール徹底解剖! ■パチンコホール ディテール図鑑 各部の名称と鑑賞方法を覚えよう! ■魅惑のホール7選 ■観光遊戯場7選 ■岐阜レトロミュージアム所蔵7つの逸品! 美しい盤面秘蔵コレクション ■マッチラベル・センター役物コレクション ■コラム&エッセイ PACHINKO INTERVIEW パチンコライター 栄華/転用ホール図鑑 パチンコホールの輪廻転生を徹底研究!!/パチンコホールのサービス七不思議/パチンコホールのトイレ研究所/パチンコホール奇抜建築論/青森2泊3日 旅打ちdiary/パチンコ実機コレクター・広瀬恭士と「部屋」/女性がパチンコ店を営むという事/廃業ホールにパチンコ台が無い理由/開発と規制の70年史(神保美佳)/ぱちんこの未来予測(POKKA吉田) ◆連載◆ REGULAR 国際ニュータカギ会館「パチンコ屋の追憶」(高木壮太) ◆参加メンバー◆ 栄華/酒井竜次/松村大輔/TEAM酷道 よごれん/チーム4.5畳 けんちん/日本給水党 UC/終末トラベラー 逢根あまみ/岐阜レトロミュージアム館長 杉本勇治/POKKA吉田/神保美佳/高木壮太 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/1c32p) 【発行】2019/03 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】パチンコ、昭和レトロ、旅行ガイド、サブカルチャー、建築、芸術
-
八画文化会館vol.3 特集:終末観光の切り札 廃墟の秘密
¥1,572
2010年代、廃墟の最前線をゆく! 廃墟は表立った観光地ではないため、常に「秘密」がつきまとう。廃墟は見慣れた町の中に隠された秘密であり内部にもまた、秘密や謎が隠されている。そして、価値ある廃墟は、物件そのものが秘密となりマニアの好奇心をかき立てる。 廃墟に行くつもりじゃなかったのに、知らないうちに廃墟に惹き寄せられてしまう。なぜなら、そこに秘密があるからだ。 今回の特集は、創刊号からのテーマである「終末観光」という視点から、廃墟の秘密に迫った。 「時代や土地から見放され今の時代のニーズからズレたとき不思議な魅力を発する場所」 終末観光とは、そういった場所を旅することであり秘密そのものである廃墟もまた、公には語りづらい終末観光だからだ。 いずれにせよ一番のポイントは、ズレを発見して楽しむ点にある。一般的な観光地にとっても「ズレ=独自性」は、外せない命題だ。 「他では見ることができない」「ここでしか味わえない」そのような場所に、人は集まる。廃墟の場合も同じだ。物件独自の特徴を発見することで、価値が生まれる。その特徴が世間から大きくズレていると判明したとき廃墟も終末観光も等しく私たちを感動させてくれるのである。 本特集では、廃墟になった理由(閉鎖に至った理由など)や所在地情報、探索時の武勇伝、感動的な廃墟ポエムはなくそれどころか、役立つ知識もほぼ皆無であったりする。 日本各地の廃墟から、目に見える特徴や傾向を発見し廃墟をとおして、終末観光との共通点である「ズレ方」についてああでもない、こうでもないと分析とは名ばかりの、おしゃべりをしているのである。 廃墟は、終末化というプロセスを通って出た、ひとつの結果である。しかし終末状態の施設が、すべて廃墟になるとは限らない。大半は解体されるであろう。 本特集で「廃墟という結果」の事例に目を通していただいた後にそのひとつ前の状態である「終末期の希少性」に気づき終末観光スポットにも、興味を持っていただけたら幸いである。 (本文より) ◆特集◆ 廃墟の秘密。 ~終末観光の切り札~ ■廃墟終末処理場 乱れネイチャー編/ヒヤリ・ハット編/企業ノベルティ編/お色気サービス編/ラブホ不思議の壁編/謎のメッセージ編 ■廃墟の秘密。REVIEW 八戸漁連/近未来バイオセンター廃墟/K楽園温泉ホテル/NR閣/和賀川水力発電所跡/K道路沿いの未完円形ホテル/洋館風のT鉄工所/怨念旅館/ボウリング場の皮を被った廃建設会社/愛宕山横穴墓群の産業遺跡/Hスイミングスクール/ホテル大宮/T国際スキー場/かっぱ風呂ホテル/下の茗温泉旅館/産地最大!巨大繊維工場/公営Kウォーターパーク/湖畔のグランドホテル/大塩温泉のホテル廃墟/八丈Oリゾート/八丈島の南国廃ホテル/八丈島国際Kホテル/ブロックアート/野趣溢れる南国ロイヤルホテル/なまこ壁の廃ホテル/高原の廃ゲームランド/あじさいの宿/Pランドプール/蒲郡市の小さな廃観光旅館/地場産業のN工業/S発電所/近未来の遊園地ロープウェイ/森で隔離された廃結核病院/麻耶観光ホテル/水没ペンション村/アクア小与島/Y温泉ストリップ劇場/森に埋まった廃遊園地/石膏像の廃校/建て増しM荘/国民宿舎A山荘/スカイレスト・ニュー室戸/屋島山頂駅/龍宮城/イジメもやまる日本発祥の地/小豆島大孔雀園/Dリゾート小豆島/M荘/R山S院/山口秘宝館/亀崎海上ホテル/志高ロープウェイ/無人島の真珠養殖場/H共和国/ヒートゥ島の水族館レストラン/H発電所/安慶名琉映館/軍艦島 北海道から沖縄まで、ニッポン全国の美しくも謎に満ちた廃墟を全58物件レビュー □編集部対談 終末にこんがらがって、廃墟へ。 □廃墟マニア対談 廃墟の秘密。O氏とS氏の場合 □鬼束7段の記録 □本編アウトテイク写真集 □本編未発表写真集 □EPILOGUE すべての終末観光は自由をめざす ◆注目特集◆ FEATURE ■WAITING FOR THE 終末観光 ワールドオートバイサーカス/足摺海底館/首里劇場/魚津ステーションデパート/回転展望喫茶店手柄ポート/POT HALL(旧・吉田南光園)/マルカンデパート大展望大食堂/八戸ボウリングセンター/津山農協会館 ◆連載◆ REGULAR ■ミステリーパトロール 中遠ソーラー普及所/富士設計/白金消防団詰所/早吸日女神社/馬渕工業/桃太郎神社/かつらの総合メーカー司屋/ホイールの家/かなやま人の村/お食事処 腹いっぱい/アサヒ薬局/岩保木水門 ■ローカル三行はみだし情報 ■COLUMN 徳島の性教育食堂(高木壮太) 別子飴(藤井佳之) TDL跡地(香山哲) BOOKSTORE BACKYARD REVIEWすべての終末本は書店のバックヤードに流れ着く(花本武・松岡千恵) ◆参加メンバー◆ タケピン/鬼束7段/よごれん/くまお/HEBU/芝公園公太郎/啝/JUNK5:55/秋山楓/湯浅順也/ダミアン/ぷゥ/福里さやか/ARROW/高木壮太/香山哲/藤井佳之/花本武/松岡千恵/かもす(週末探検隊)/ほいじんが/知扇/金原みわ/草場啓介/遠藤学/舟橋蔵人/イル・カポネ 【ISBN】978-4-9903712-6-5 【判型】A4変型並製(210×259mm) 【頁数】112p(4c96p/1c16p) 【発行】2013/08 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】廃墟、終末観光、珍スポット、旅行ガイド、サブカルチャー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
八画文化会館叢書vol.11 ゲタバキ団地観覧会
¥1,100
団地本の異端児が誕生! 昭和・平成・令和へと時代が移り変わり、昭和の生活スタイルや文化が見直されています。 住宅不足に悩む終戦後から高度成長期にかけて全国に建てられた団地も、消えゆく昭和文化を体験できる貴重な遺産のひとつ。その団地のなかでも、大都市の街なかに溶け込むように姿を隠している「ゲタバキ団地」。まるで「ウォーリーを探せ!」のように、よくよく目を凝らして観察しないと見えてこない「もうひとつの団地」です。 ゲタバキ団地とは、下層階に商店や事務所、上層階に住宅がある「併存住宅(ゲタバキ住宅)」のうち、上層階の住宅が公的団体の建設した住宅のこと。本書では日本住宅公団の作ったブランドである「市街地住宅」をメインに40軒をご紹介します。 現役の賃貸物件として入居者を募集している物件もあるので、気に入ったら住んでみるのもよし。観察対象として、まち歩きの選択肢のひとつにしてもよし。著者けんちん氏と一緒に『ゲタバキ団地観覧会』に出かけましょう! ◆目次◆ ■Contents 阪南市街地住宅/田町駅前市街地住宅/瓦屋町市街地住宅/西陣市街地住宅 天神橋市街地住宅/西谷町市街地住宅/高尾市街地住宅/赤川町市街地住宅/老松市街地住宅/内久宝寺市街地住宅/清滝市街地住宅/都営 高橋アパート 西上汐市街地住宅/東谷町市街地住宅/東中寺市街地住宅/太閤通市街地住宅/中安井町市街地住宅/江坂市街地住宅/河原町五条市街地住宅/都営 第2後楽園アパート/西長堀市街地住宅/北堀江市街地住宅/桜川市街地住宅/下の橋市街地住宅/上飯田市街地住宅/御池通市街地住宅/南幸市街地住宅/薄野市街地住宅 南青山三丁目市街地住宅/南青山三丁目第2市街地住宅/北青山三丁目第2市街地住宅/渋谷二丁目市街地住宅/上野毛市街地住宅/都営 後楽園第1アパート/大浪橋市街地住宅/岡崎橋第二市街地住宅/信濃橋市街地住宅/津久野市街地住宅/西大寺駅前市街地住宅/切戸町市街地住宅 □ゲタバキ団地Q&A □解説 岡絵理子(関西大学環境都市工学部建築学科教授) ◆著者プロフィール◆ 1980年大阪府交野市生まれ。団地ソムリエ。一番好きな団地は日本住宅公団の市街地住宅。団地好きが高じ、新聞・雑誌・Webメディアへの団地関連の寄稿多数。これまで団地引っ越しまで導いた人数は200人を超える。人生の中で得することを色々な人とシェアするのが生きがい。珍スポットクラスタの金原みわ、廃墟クラスタのだみあん君と共に大阪此花千鳥橋にあるイベントスペース〈PORT〉にて異業種趣味交流イベント『別世界Bar』を毎月開催。 所属:団地愛好家集団チーム4.5畳/銭湯電気保養協会/ドムドム連合協会/日本サぱ協会/別世界Barクルー/バンド「BOWLING No.9」「ザ・ローレルズ」(共にトランペット担当) Twitter:@kenchin HP「ゲタバキ天国へようこそ!」https://www.danchibar.com/ 【判型】A5並製(148×210mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2019/08/01 【著者】けんちん 【デザイン】鈴木隆文(buzzdesign) 【ジャンル】団地、住宅、市街地住宅、ゲタバキ住宅、建築、昭和レトロ
-
八画文化会館叢書vol.09 Electric Bath Handbook 電気風呂御案内200
¥1,100
前代未聞の電気風呂ハンドブックの登場! 銭湯のなかでも、ちょっと怖くて近寄りがたいイメージのある電気風呂。 でも勇気を出して一歩足を踏み入れば、そこはまさに未体験の極楽ゾーンが広がっています。電気風呂をこよなく愛し、関西・関東を中心に電気風呂を探し歩いているけんちん氏による前代未聞の電気風呂ハンドブックの登場です! 「四天王」「極楽」「地獄」「湯治」「湯めぐり」の5つのカテゴリ別に全32物件詳細レビューをはじめ、老舗電気風呂メーカーの小西電機インタビューや、イラスト図解で電気風呂の入り方もわかりやすく解説! さらに巻末には電気風呂の強弱を5段階で表した「電気風呂パワー」とコメント付きの200物件INDEXもついて、実用性バッチリ! この1冊で、今日からあなたも電気風呂巡りができるようになること間違いなし!! ◆目次◆ ■Contents □電気風呂 四天王 竹の湯/そしがや温泉21/昆陽温泉/ヘルシー温泉タテバ □極楽電気風呂 大黒湯/灘温泉水道筋店/月見湯温泉/千鳥温泉/アクアガーデン栄湯/サウナの梅湯/第三玉の湯 □地獄電気風呂 萬歳湯/栄町温泉/野崎浴場/朝日温泉/第二宝湯/大栄湯/八幡湯 □湯治電気風呂 湯処あべの橋/日之出温泉/大星湯/六甲おとめ塚温泉/武蔵小山温泉 清水湯/中延記念湯/辰巳湯 □湯めぐり電気風呂 大門湯/人蔘湯/ぽかぽか温泉/喜楽湯/千鳥湯/船岡温泉/福美湯 □電気風呂Q&A □電浴の心得 □電気風呂メーカーインタビュー □電気風呂INDEX 200 □解説 JP-Super ◆著者プロフィール◆ 1980年大阪府交野市生まれ。電気風呂鑑定士。団地ソムリエ。団地好きが高じ、新聞・雑誌・Webメディアへの団地関連の寄稿多数。人生の中で得することを色々な人とシェアするのが生きがい。『珍スポット』クラスタの《金原みわ》、『廃墟』クラスタの《だみあん君》と共に大阪此花千鳥橋にあるイベントスペース『PORT』にて異業種趣味交流イベント『別世界Bar』を毎月開催。 所属:団地愛好家集団チーム4.5畳/銭湯電気保養協会/ドムドム連合協会/日本サぱ協会/別世界Barクルー/BOWLING No.9(トランペット担当) Twitter:@kenchin 【判型】A5並製(148×210mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2019/02/06 【著者】けんちん 【デザイン】鈴木隆文(buzzdesign) 【装丁】小磯竜也 【イラスト】ユッカ・バッファロー 【ジャンル】銭湯、電気風呂、レトロ
-
八画文化会館叢書vol.08 MYSTERY RUINS ふしぎな廃人形の世界
¥1,100
ようこそ謎と怪奇の廃人形ショウへ 廃墟や路上で朽ちた人形には、現役スポットの人形にはないユーモラスで不思議な味わいが宿ることがある。ポンチハンター氏が切り取る廃墟の世界は、経年劣化や、人為的なイタズラ、自然による変化で意図しないユーモアが出現したときに冴えわたる。 ヒザカックンされたときのような、なんともいえない脱力感に満ちたシュールな空間。何度見ても笑ってしまう、生きたことはないはずの人形たちのふるまい。人間よりも人間味あふれる廃人形たちに、魅惑の世界へと誘われる。 そこには人間的なユーモアと、ちょっとしたお色気と毒が混ざり合っている。 廃墟を美しいだけの芸術的な被写体としてではなく、煽り立てるだけの心霊スポットでもなく、産業遺産として保護対象に変えてしまうのでもない。既存の態度とは一線を画した独自の廃墟へのまなざしと楽しみ方がある――。 ◆目次◆ ■Contents 謎と怪奇の廃人形ショウ/倒れゆく廃人形たち/ふしぎな廃人形があの世とこの世を繋ぐ/闇に浮かぶ生首がきみを襲う/顔のないロボットの反乱/逃げまどう人形たちの足音が聞こえてくる/廃墟に隠されたタブー □廃人形セレクション30 □著者インタビュー「ふしぎな廃人形と出会う」 □解説 小嶋独観 ◆著者プロフィール◆ 廃墟&珍スポ愛好家。小さい頃から廃墟や珍スポが好きという変わった子どもだったので、高校時代にバイクの免許を取ると当然のように廃墟&珍スポ巡りを始める。その後、四輪の免許を取得し活動範囲を拡大。インターネットで情報を集めやすくなったことも後押しして、今では日本全国の廃墟&珍スポを訪ね歩いている。1989年の大滝ランド訪問で廃墟の人形の魅力に開眼。廃墟に残る人形情報の収集に余念がない毎日を送っている。 「ポンチハンター2.0」 http://punchhunter2.exblog.jp 【判型】A5並製(148×210mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2019/02/06 【著者】ポンチハンター(WEB「ポンチハンター2.0」主宰) 【デザイン】鈴木隆文(buzzdesign) 【ジャンル】廃墟、珍スポット、人形、ミステリー、オカルト
-
八画文化会館叢書vol.07 八画文化会館OFFICIAL FAN BOOK 矛盾不純
¥1,100
いつの時代にも、新しいものは“なんだかわからないもの”として登場する。 「見えるものはみんなひとのものだよ。」 「うん。」 「見えないものは、僕らのものだよ。」 (「デザインを終えて」より抜粋) 90年代頃から自然発生した、珍スポット、廃墟、工場やダムなどのドボク遺産など、観光地以外を観光するというオルタナティヴな旅の愛好家たちによって、一種独特のシーンが形成されました。マニアックで、オカルトで、廃で珍なカルチャー。 このシーンのなかから出てきた、知る人ぞ知る不定期刊行マガジンの『八画文化会館』は、2010年5月に活動開始し、6年間で本誌4冊と、叢書6冊を発行してきたインディペンデントマガジンです。土地や時代からズレても生き残り不思議な魅力を放っている物件をめぐる「終末観光」というテーマを掲げて活動してきました。 本書は矛盾や不純、そしていつも「なんだかわからない」思いを抱えながら本をつくってきた制作の舞台裏について赤裸々に明かした、本邦初の公式ファンブックです。 アートブックとしても楽しんでいただけるように、10年に渡って日本全国の街角から採取した風景の中でも、とくに路上からはみ出している「SEX・ニセモノ・交通安全」の写真をピックアップし、コラージュアートブック風に構成しました。 アダルト産業大国の日本では街並みにおいても許容されてきたエロ文化の残滓、「アカンやつ」と言われても各地に発生しつづけるニセモノ、交通安全を祈りながらもドライバーや通行人の目を惹きすぎて目立ち、逆効果になっているんじゃないかというような矛盾を抱えた交通安全オブジェ。 これらの路上に存在した風景写真を、今もっとも注目すべき気鋭の若手エディトリアルデザイナーLITTLEBEACH Studioの小磯竜也さんによる、斬新なコラージュアートでお楽しみ下さい。 紙の本を愛する人へ、そして絶滅危惧種のように貴重な八画文化会館ファンの皆様へ贈ります。 ◆目次◆ ■第1章 AVメーカー事務所の片隅から。 新宿のはずれ、大久保の雑居ビルにて/気鋭のイラストレーター小磯竜也との出会い/自由の矛盾と金儲けの不純 ■第2章 28歳、私「あっち側」へ行ってきます。 酒井竜次の4年ごとに負けるストーリー/ジュンク堂新宿店「ふるさとの棚」の無責任編集/『愛知県漂流』に揺さぶられて/赤信号を渡って『八画文化会館』へ ■第3章 私の答えはただひとつ、続けること。 「ない」ものを数えて「ある」ものまで失くす毎日/とにかく続けること □解説 山内哲也 ◆著者プロフィール◆ 石川春菜 編集者、ライター。1982年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部、文芸専修卒業。ジュンク堂書店池袋本店にアルバイトで2年、同新宿店に正社員として5年勤務。6年目に転職し、『八画文化会館』編集長を務める。 「八画文化会館」http://hakkaku-culture.info/ 小磯竜也 アートディレクター。1989年、群馬県生まれ。東京都在住。東京藝術大学美術学部、絵画科油画専攻卒業。フリーのアートディレクター兼グラフィックデザイナー兼イラストレーターとして、主に広告物や書籍などのデザイン及びディレクション、プロデュースを行う。『ジャポニカヒップホップ練習帳』サイプレス上野(双葉社)や、『名作漫画誌 品格vol.2』(シカク出版)の装丁を手掛ける。 「LITTLEBEACH Studio 小磯竜也 OFFICIAL SITE」 http://www.littlebeach.net/ 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2016/08 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】石川春菜(八画文化会館 編集長) 【デザイン】小磯竜也(LITTLEBEACH Studio) 【ジャンル】昭和レトロ、路上観察、エッセイ
-
八画文化会館叢書vol.04 公園手帖2 キノコ公園
¥1,100
キノコのことを知らないあなたへ贈る 魅惑のフォトブック キノコ。それはとても奇妙で謎に包まれた存在です。キノコは植物でも動物でもありません。動物とは違って単体で完結した生き物ではありませんし、植物のように光合成によって自ら養分を作り出すこともできません。カビや酵母などと同じ仲間の、菌類という微生物で、ほかの生き物と共生することにより生活しています。 地上の菌類は100万~150万種あると考えられていて、そのうち現在明らかになっているのは5%にも満たないといわれています。そう、キノコの世界のほとんどは未知。名前すらわからないキノコが、この世にはたくさんあるのです。 そんな奇妙で不思議なキノコに魅せられた人々による“キノコ趣味”が、近年静かな広まりを見せています。 本書は、『乙女の玉手箱シリーズ きのこ』、『きのこ旅』(ともにグラフィック社)の監修などで活躍する、きのこ愛好家とよ田キノ子さんによるフォトブックです。とよ田さんは自身のブログで「全国キノコ公園マップ」を作成し、本物のキノコのように謎が多く、まだまだ発見されていないキノコ公園に注目されています。 「世の中には、キノコ型の遊具やシェルター(東屋)、テーブルなどが設置されている公園がある。日常に少しだけ添えられたファンタジー。人はそれを「キノコ公園」と呼ばずにはいられないのである」(前文より) 「日常のファンタジー」という言葉にぴったりの、街角で不思議な存在感を放つキノコ型遊具。1章の「なぜそこにキノコがあるんだろう」では、デパートの屋上、霊園、パーキング、廃墟、果てはサハリンからバス停まで、様々な場所に現れるキノコ遊具の魅力に迫ります。 本物のキノコと同じように、様々なパートナーと一緒に生活しているキノコ遊具。2章の「キノコと不思議なパートナー」では、果物や動物などのほほえましい組み合わせや、文房具、観音などの不思議なカップリングをご紹介。 さらにキノコの用語集や、図解式の鑑賞ポイント、きのこ愛好家の文学者・飯沢耕太郎氏による解説付きで読み応えも十分。全国各地で採集された42のキノコ遊具写真を美しい写真でお届けする、「キノコ公園」のフォトブックです。 ◆目次◆ ■第1章の「なぜそこにキノコがあるんだろう」 軽井沢銀座パーキング/岡谷市営 内山霊園/京都府立植物園 きのこ文庫/おかざき世界子ども美術博物館「妖精の棲む浮かぶ島」/ワンハッピープラザ跡/そごう横浜店 屋上「太陽の広場」 ■第2章 キノコと不思議なパートナー イームイ児童公園/ゆうな公園/中野区中央公園/那覇市中央公園/トヨスノコシカケ/まえはら児童公園/ ■第3章 公園の中のかわいいキノコ 加家公園「メルヘンの森」/追分公園/青葉台公園/信州やぶはら高原こだまの森/加賀市中央公園ほか □こんなところにもキノコがありました □まだあるよ きのこと不思議なパートナー □公園の中のかわいいキノコ見つけた □もっとキノコ公園を楽しむために □解説 飯沢耕太郎 ◆著者プロフィール◆ ウェブデザイナー、きのこ愛好家。信州きのこの会会員。2007年に“きのこ病”を発症し、以降「とよ田キノ子」名義で活動を開始。きのこグッズコレクションの展示やきのこをモチーフにした作品展、きのこイベント等を開催。日々、きのこの魅力を伝える“胞子活動”を行っている。 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2015/08 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】とよ田キノ子 【デザイン】中田舞子 【ジャンル】きのこ、公園遊具、レトロ
-
八画文化会館叢書vol.03 知られざる日本遺産~日本統治時代のサハリン廃墟巡礼~
¥1,100
あなたはサハリンに何があるか知っていますか? サハリンは、ユーラシア大陸の東方、オホーツク海の南西部にあるロシア連邦サハリン州の島です。日本からみると北海道よりさらに北側に位置していて、日本の本土最北端の地、宗谷岬から、わずか43kmしか離れていない、とても「近い場所」にあります。 地理的にはこんなにも日本に近いサハリンですが、現在の日本からはとても「遠い存在」です。しかし歴史をひもとけば、とても近くて、日本との関係が深いのです。 「江戸時代、幕府直轄領として蝦夷地と呼ばれていたこの島は、1855年(安政元年)にロシアと交わした日露和親条約の時点では日露両国民混在の土地とされていた。しかし1875年の千島樺太交換条約で、明治政府が樺太を放棄したため、いったんは全島がロシア領となる。その後、日露戦争で戦勝国となった日本が、1905年のポーツマス条約により北緯50度以南を再び領有することになり、以後、第二次世界大戦敗戦までの約40年間、日本による樺太各地の開拓が進められた。」 ※「NPO法人日本サハリン協会」http://sakhalin-kyoukai.com/history/index.html より引用 つまり1945年の終戦までは、北緯50度線を境にして、南半分を「樺太」として日本(大日本帝国)が、北半分を「サハリン」としてロシア(旧ソビエト連邦)が領有していました。 ロシアなのか、日本なのか? 日本なのに、ロシアなのか? ロシアなのに、日本なのか? ロシアでもあり、日本でもあるのか? 日本でも、ロシアでもないのか? サハリンという境目の土地は、曖昧で、宙ぶらりんで、だからこそとても興味深い土地です。日本にとってもロシアにとってもマージナル(周縁)な土地であり、歴史に翻弄され、行ったり来たりした曖昧な土地。そしていま、日本の歴史から置き忘れられようとしている「樺太」だった場所には、一体何があるのでしょうか? 本書は、2009年に当時20代半ばだった女性カメラマン那部亜弓が、情報が少なく観光地としても選ばれることの少ない現在のサハリンにレンズを向けたドキュメンタリーフォトブックです。1905年から終戦の45年までの明治、大正、昭和をまたいで続いた「樺太時代」の知られざる日本遺産に迫ります。 ◆目次◆ ■CONTENTS 01…王子製紙恵須取工場 02…王子製紙知取工場 03…王子製紙敷香工場 04…王子製紙真岡工場 05…王子製紙落合工場 06…王子製紙豊原工場 07…王子製紙大泊工場 □サハリンに残る日本を訪ねて 樺太セメント工場 敷香工場/旧恵須取神社址/旧真岡神社址/旧知取神社址/旧白浦神社址/旧熊笹峠トーチカ/上敷香海軍の石碑/上敷香トーチカ/遠征軍上陸記念碑/旧北海道拓殖銀行大泊支店/旧内淵炭鉱跡と鉄橋/珍内の旧市街地/旧樺太丁博物館(サハリン州立郷土博物館)/旧北海道拓殖銀行豊原支店(サハリン州立美術館) □旅の記録 近くて遠いサハリンへ □解説 西牟田靖 ◆著者プロフィール◆ 千葉県出身。廃墟探検を始めて10年。日本国内にとどまらず、海外の廃墟も巡る。ニックネームはのんちゃん。朝鮮マニアの旦那をもつ。趣味はダンスと映画鑑賞。将来の夢は遺影写真家。座右の銘は「顰蹙は金を出してでも買え」。著書は廃墟写真集『SILENT×RUINS』。その他、『ニッポンの廃墟』(ともにINDIVISION)など廃墟関連書籍を共著で手がける。 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2015/08 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】那部亜弓 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】サハリン、樺太、廃墟、戦跡、産業遺産、工場、海外旅行記 ◆書評・紹介◆ □東京新聞2015年10月3日朝刊 □ソトコト2016年1月号「リトルプレスから始まる旅volume45」根木慶太郎 □北海道ファンマガジン「戦後70年たった今もサハリンに残る 日本領時代の製紙工場跡7箇所」https://pucchi.net/hokkaido/funlog/201602shfactory.php
-
廃墟という名の産業遺産
¥2,640
ニッポンの“裏ヘリテージング”ブックがついに登場! 廃墟なのか、産業遺産なのか。 世界遺産か、それとも負の遺産か。 観光資源として保存される産業遺産の陰で、語られることなく失われていく「廃墟という名の産業遺産」。 本書は、サハリンに残る旧日本時代の巨大製紙工場を皮切りに、沖縄本土から約400km離れた孤島の産業廃墟まで、日本全国を網羅した究極の産業遺産ガイドブックです。巨大工場、離島、樺太(サハリン)、旧財閥、水の施設、斜陽産業の町という7つのキーワードから、廃墟となった産業遺産に迫ります。 美しく荒廃する日本各地の廃墟は、放置された産業遺産の真実を映し出しているのです――。 写真集『廃墟漂流』『最終工場』の小林伸一郎によるフォトグラビア、『廃墟の歩き方』の廃墟探索家・栗原亨、『ワンダーJAPAN』編集長・関口勇らの語る「廃墟と産業遺産」も併せて収録。208ページ・オールカラーで、美しい廃墟写真と、超レア物件含む全40スポットをアクセスマップ付きで、徹底紹介しました。 ◆目次◆ □巻頭グラビア「廃墟という名の産業遺産」小林伸一郎 □スペシャルインタビュー「どうして廃墟の産業遺産に惹かれるのだろう。」 小林伸一郎(写真家)/栗原亨(廃墟探索家)/関口勇(「ワンダーJAPAN」編集長) □廃墟という名の産業遺産 全国マップ ■巨大工場跡 ひとつの都市のような巨大工場......01秩父セメント第一工場 セメント界の大革命と呼ばれた石炭窯......02小野田セメント重安鉱業所 巨大廃墟は、明治の最新セメント工場......03浅野セメント門司工場 3基の塔は、電力王が夢見た最後の欠片......04旧矢作製鉄の熱風炉 旧産炭地の産業を牽引した巨大工場......05日本加工製紙高萩工場 ■孤島で朽ちる 日本が生んだ世界に誇る産業遺産......06軍艦島(端島炭鉱) 絶海の孤島で干乾びる燐鉱所の遺構群......07東洋製糖・燐鉱石採掘施設群 西海に眠る九州最後の炭鉱......08池島炭鉱 全てが削り取られた雪白の島......09大築島(おおつくしま) 別子銅山よりも先に、離島へ移された精錬所......10佐島精錬所 ■樺太・サハリン 日本最後の本土決戦の地に残る......11樺太工業真岡工場(王子製紙真岡工場) 寒村に街を形成した、日本初のクラフト専門工場......12日本化学紙料落合工場(王子製紙落合工場) 幻と終った日本時代のセメント工場跡......13樺太セメント工場敷香工場 日本最北の巨大工場跡......14日本人絹パルプ敷香工場(王子製紙敷香工場) サハリン・カラフトコラム ■小さな産業遺産 15王子製紙豊原工場/16三井合名樺太紙料工場(王子製紙大泊工場)/17向山炭鉱/18時山第二発電所/19西尾幡豆クリーンセンター/20NHK桶狭間ラジオ放送所/21熊延鉄道遺構/22未完成のループ橋/23中外鉱業上ノ国鉱山/24釜石鉱山/25新日本製鐵広畑製鐵所/26畑田変電所/27足尾銅山の巨大煙突/28中ノ島 ■水と共に去りぬ 湖と山に飲み込まれた炭鉱遺産......29雨竜炭鉱+昭和炭鉱 川と風の流れを活かした、大正時代の石炭工場......30白石鉱山 水の問題から町を救ったふたつの堰堤......31桂ヶ谷貯水池堰堤+羽根越貯水池堰堤 湖底に沈む、近代化学工業発祥のモニュメント......32曽木発電所遺構 ■旧財閥の鉱山跡 ニッポン最初の公害と克服の地......33足尾銅山 石炭産業の興亡の象徴、その激動の歴史......34三池炭鉱三川坑+有明坑 住友による公害克服の地も、今や立入厳禁の無人島......35別子銅山四阪島+別子銅山の遺構 地上から消失した不都合な産業遺産......36神岡鉱山 ■斜陽産業の街角 再生への道を模索する、落日の炭鉱都市......37夕張市の斜陽する街並み 石の産業が生んだ奇妙なランドスケープ......38石灰石+大谷石採掘地帯 織姫の消えた、繊維産業の街角......39大生紡績+一宮市の街並み 三池炭鉱の旧産炭地で消えた2つのテーマパーク......40ネイブルランド+アジアパーク ◆執筆者一覧◆ 小林伸一郎/栗原亨/関口勇/鹿取茂雄/大久保健志/服部智広/ゴン太/小林哲朗/那部亜弓/前畑洋平/川上智昭/小野俊之/藤本修司/相場康暢 【ISBN】978-4-9903712-2-7 【判型】A5並製(148 × 210mm) 【頁数】208p(オールカラー) 【発行】2008/07 【デザイン】鈴木篤史 【ジャンル】産業遺産、廃墟、世界遺産、ダークツーリズム、炭鉱、鉱山、工場、旅行ガイド、サブカルチャー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
愛の神秘 嬉野武雄観光秘宝館
¥4,180
消えゆく昭和のエログロナンセンス文化「秘宝館」の 貴重なドキュメンタリー作品が誕生 「訪問者参加型の展示を追求した秘宝館の集大成、嬉野武雄秘宝館。高度な専門的技術とユーモアの融合、パロディや地域性もちりばめられている。壮大なスケールの展示や蝋人形の造形美に私たちは度肝を抜かれる。秘宝館は時代を映し出す文化遺産。その歴史的意味を問うのに、この映像記録は第一級資料となるだろう」(社会学者 妙木忍) 「伊勢エロスの館 元祖国際秘宝館」(2008年)、「性愛の里 北海道秘宝館~その耽美な世界~」(2009年)に引き続き、古き良き時代に全盛を極めた性とエロスの神秘の館、「秘宝館ドキュメンタリーシリーズの第3弾。 2014年3月に、貴重な昭和の文化遺産である「嬉野武雄観光秘宝館」が、31年間の歴史に幕を下ろした。本作は後世に伝えるため、その全貌を記録した貴重な映像ドキュメンタリーである。 監督は、『ラブホテルコレクション・甘い記憶』(2009年)などを制作し、絶滅寸前の昭和アダルトの風景を追い続ける村上賢司氏。 ◆特典◆ 1.「嬉野武雄観光秘宝館」ラジオCM音声 2.「嬉野武雄観光秘宝館」街宣用音声 3.「建物設計図面1階、2階」(ジャケット裏面に記載) 【品番】RFD-1157 【形式】DVD 【規格】カラー/ステレオ/16:9LB/片面一層 【分数】本編115分(特典映像2分) 【発行】2014/12 【監督/企画】村上賢司 【撮影/編集】加藤隼介 【ジャンル】秘宝館、ドキュメンタリー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
石和秘宝館ロマンの館~十年の眠りから目覚める異形の芸術たち~
¥4,180
現存しないとされていた幻の秘宝館を発見し、一夜限りの復活をさせた異色のドキュメンタリー作品。 1995年頃閉館した知る人ぞ知る秘宝館、「石和秘宝館ロマンの館」。その跡地に、なんと展示品が手付かずのまま残っていた。しかも、その中には、現役の秘宝館ではもう見ることのできない貴重な等身大人形が、40体以上もあったのだ 所有者との粘り強い交渉の末、電気関係の修繕工事を施し、一夜限り館内を復活させることに成功。妖艶な色使いのインスタレーションが、十数年の眠りから醒め、ぎこちなく動き出した――。 ◆内容◆ ■「メルヘンポルノ」 オリジナリティ溢れる空想世界が広がる ■「SFの世界」 近未来のエロスをユニークに表現 ■「江戸時代甲州路の遊郭」総勢10体の等身大人形で魅せる ■「戦国時代コーナー」武田信玄・上杉謙信など甲州にちなんだエロ戦国絵巻 ■「おさわりポルノ」裸体展示を触りながら歩く体験型コーナー ■「保健衛生コーナー」元祖国際秘宝館の系列にしか存在しないとされていたものがあった…! ◆特典映像◆ □館内おもしろ展示&グッズ紹介 □パネル「パンティーで彼女のセックスがわかる」 □失われた秘宝館「山口秘宝の館」スライドショー □「韓国済州島 秘宝館×三館」DVDのダイジェスト □独占入手した等身大人形の設計図を多数収録 【品番】HLGD-002 【形式】DVD 【規格】カラー/ステレオ/16:9LB/片面一層 【分数】90分 【発行】2009/06/01 【監督】サワダクニヒロ 【撮影】水岩裕介 【ジャンル】秘宝館、ドキュメンタリー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
韓国済州島 秘宝館×3館 JEJU LOVE LAND×Sex Museum×World Eros Museum
¥4,180
韓国済州島に残る秘宝館3館すべてを収録したドキュメンタリー映像 済州島に現存する韓国版の3つの秘宝館を収録した貴重な記録映像。乱立する巨大エロオブジェの数々や、世界のエロティックアート作品が一堂に会した 展示など、セックスをエンターテインメントしきった素晴らしい異文化エロス交流!! 儒教が文化・社会の形成に大きく影響を与え、人々の生活に深く根付いている大韓民国。その儒教には貞操を重んじるという教えがある。自由な男女交際も好まれない傾向にあるという。しかしながら韓国最南端、九州に程近い、日本の47都道府県で最も面積が小さい香川県よりも小さな「済州(チェジュ)島」には、性を娯楽にする施設(秘宝館)が3館も存在していた――。 巨大エロオブジェが170体以上存在するJEJU LOVE LANDを皮切りに、2006年に完成したSex Museum、日韓ワールドカップ競技場内に設立されたWorld Eros Museum、韓国国内でもあまり知られていない3館を収録した貴重な記録映像。 ◆内容◆ ■JEJU LOVE LAND 自慰行為、グループSEXを連想させるオブジェ、巨体の中年女性が貧弱な子男に迫るオブジェや、全長約10mの男根から水が噴射される噴水など、広大な敷地を存分に利用したダイナミックな巨大アートオブジェの魅力をあますことなく紹介! ■SEX MUSEUM マリリンモンローの像を皮切りに、ラブドールを使用した展示や、女性のあえぎ声が出るゲームで来館者をエンターテインメントするなど、現代的なミュージアムの明るく開放的な館内をレポート!多岐にわたる珠玉のコレクション、展示を厳選して収録! ■WORLD EROS MUSEUM 2002年日韓ワールドカップが開催された済州ワールドカップ場に存在するという衝撃の立地の秘宝館。コンドームを服のように身にまとうマネキンや、世界各国のエロ美術品が勢揃いし、公共の場に不相応な異彩を放つ多数の展示映像は必見!! ■特典映像 済州島の不思議「お化け道路公園」オブジェ完全コンプリート 特典映像として、メジャーな観光スポット“お化け道路”周辺に存在する、大量のコンクリートオブジェが点在するお化け公園の探索映像を収録! 【品番】HLGD-001 【形式】DVD 【規格】カラー/ステレオ/16:9LB/片面一層 【分数】本編100分/特典映像10分 【発行】2009/06/01 【企画・プロデュース】ローカル銀座 【ジャンル】秘宝館、ドキュメンタリー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
八画文化会館vol.6 特集:レトロピア岐阜
¥1,980
SOLD OUT
岐阜のいちばんの魅力は、かつて栄えた地場産業がダイナミックに寂れた「過去のまち」が随所に残っていることだ。まるで旧インフラで成り立つ都市標本のようで、まさに「レトロピア」の名にふさわしい。ユートピアはどこにもない理想の国だが、レトロピアはなくなったはずの古いもので造られた都市の集まり。そんなふうに岐阜を位置づけてみたら、「地味でマイナー」という一般的な岐阜のイメージをくつがえす刺激的な風景が見えてきた。 全蓋式アーケードで繋がった巨大な柳ケ瀬商店街は、アーケードスナックの宝庫だし、遊郭からソープ街まで女性街の変遷をたどれる金津園や、岐阜駅前の闇市ハルピン街をもとにした繊維問屋街など、岐阜駅から徒歩圏だけでもこんなにある。陶器や鉱山などの地場産業で栄え、独特のひなびた情緒と哀愁ただよう多治見市や神岡町。団地や鉄道など、20世紀のインフラが残した町の風景も素晴らしい。 そして水先案内人には、岐阜で活動する「TEAM酷道」の隊長よごれんさんをお迎えした。これまでチーコクといえば、酷道、廃墟、エロ本小屋などのハードコアなイメージがあったと思う。しかし一緒に旧市街地で話を聞き、過去の街並みに目を凝らすうち、気づけばレトロピアの魅力にずぶずぶとのめり込んでくれていた。無茶ぶりに応えて、岐阜の新しい魅力を本気で探してくれた案内人の全面協力により、かつてない岐阜ガイドブックになったと思う。 本特集のメインには、歓楽街、女性街、繊維街、陶器街、鉱山街、団地街、廃線街の7つの旧市街地をピックアップした。本誌制作中にも閉店や解体が相次いだので、レトロピアも幻となる日が近いかもしれない。そうなるまえに、一緒に見ていこう。(特集まえがきより) ◆特集◆ レトロピア岐阜 ■巻頭インタビュー 岐阜の案内人「TEAM酷道」何もない場所を、楽しむ。 ■歓楽街 柳ケ瀬ブルースをもういちど ■女性街 移動する「女の園」を歩く ■繊維街 忘れられたハルピン街 ■陶器街 陶都36景 ■鉱山街 鉱山都市の明暗を歩く 神岡 ■団地街 団地鑑賞Q&Aツアー ■廃線街 名鉄600V線区の駅前文化を辿って ■はみだしコラム 遊郭跡巡礼/岐阜レトロミュージアムのここがすごい!(栄華)/2018年宇宙喫茶の旅(金原みわ)/昭和遺産ラブホのお手並み拝見❤(逢根あまみ)/笠松競馬場で旅打ち草競馬/エグロ会館でビリヤードに挑戦!/「化石洋食」を食べてみる!/恵那市岩村町に残る「元祖カステーラ」の謎/絶滅寸前⁉ 岐阜の給水塔事情(日本給水党UC)/マンホールの蓋からみた岐阜(森本庄治)/プレイバック名鉄600V(TEAM酷道よごれん)/東海道本線プレ国鉄遺産(TEAM酷道よごれん) ■岐阜観光の栞 香山哲のGIFU地図/高木壮太 旅の予定表/名所遺産ところどころ/社会科見学ノススメ/特選お食事案内/お祭り便利暦/ローカル三行はみだし情報 ■ミステリーパトロール スーパーサカイ/福来博士記念館/金生山/天空遊歩道/猫面魚の池/谷汲山華厳寺満願堂/乙姫公園/「龍の瞳」と飛騨野菜 ■やりすぎ家庭訪問 タイヤアートのT邸/手づくりオブジェのM医院/黒野城の新観光迷所S邸/イチローハウス定点観測 ◆連載◆ REGULAR 風俗ビルに住んでいた男のその後と山谷住まい(マングローブ村越) ◆参加メンバー◆ TEAM酷道よごれん/TEAM酷道 とらジェベル/TEAM酷道 船津/チーム4.5畳 けんちん/日本給水塔 UC/栄華/金原みわ/逢根あまみ/森本庄治/高木壮太/香山哲/マングローブ村越 【判型】B5変型並製(182mm×242mm) 【頁数】96p(4c64p/2c16p/1c16p) 【発行】2018/06 【デザイン】鈴木隆文(buzzdesign) 【ジャンル】岐阜、昭和レトロ、鉄道、旅行ガイド、エリア情報、サブカルチャー
-
八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産
¥1,650
SOLD OUT
あたらしい旅の目的地は、「駅前」です。 街の第一印象を決めるのは玄関口である駅前風景ですが、再開発が進んで各地から「駅前文化」が急速に姿を消しています。 人々の記憶が堆積した駅前の街並みが解体されると、地方のエキゾチズムも一緒に消えてしまいます。ジャングルや秘境ではなく、セイコーマートがあり八戸銀行がある、それぐらいのうっすらとした地方のエキゾチズムでさえなくなりつつあるのです。「ローカル」という耳障りのいい言葉では表せない「地方」の街並みが消え、殺風景な郊外に変わっています。 本特集では、昭和時代の世相を反映したエキゾチズムが残る地方都市の駅前風景・風俗のことを「駅前文化遺産」と定めて、徹底特集しました。 まず駅前文化遺産の魅力を知ってもらうために、編集部が2年間探し歩いたなかでも特に美しい駅前を「駅前特選10」として紹介。そして絶滅が危惧されているステーションデパートからは〈岡ビル百貨店〉、バスセンターからは〈盛岡バスセンター〉で、当時を知る方に話を聞き、資料を基に昭和時代を掘り起こしました。 新しい美しさを感じた駅前の雑居ビルは、ビジュアルを愛でてほしいので写真をメインに紹介し、鉄道文化と切っても切れない飲酒文化は地下街や駅裏、高架下など駅のはずれから探しました。さらに独自のテーマで町を歩く専門家に執筆してもらったコラムと、そしてもっと理解を深めてもらえるよう駅前旅行の手引きも収録。全120物件収録、ボリューム満点でお届けいたします。 今しか見ることのできない地方都市のすがたを見つける旅を、駅前から始めましょう! ◆特集◆ 駅前文化遺産 ~地方都市のすがた~ ■駅前特選10 紀伊勝浦駅/小諸駅/中央弘前駅/磯部駅/芦原温泉駅/戸倉駅/西富士宮駅/南富山駅/電鉄黒部駅/富士見駅 ■まぼろしのステーションデパートへようこそ 岡ビル百貨店/本郷ステーションデパート/上市駅JAアルプスビル/高岡ステーションデパート ■消えゆくもうひとつの駅 バスセンター 盛岡バスセンター/後藤寺バスセンター/ミヤコーバス佐沼営業所ターミナル食堂/十和田観光電鉄三沢駅 ■駅前ビル十景 小田原駅/熊谷駅/蕨駅/鶴見駅/新松戸駅/岐阜駅/高岡駅/松本駅/豊橋駅/敦賀駅/再開発の記憶を残す駅前ビル〈桑栄メイト〉 ■地下街・駅裏・高架下 駅のはずれでハシゴ酒 蒲郡北駅前地下街 ちどり、仁仙、保志乃/豊橋駅西バラック街 まき/唐津駅東高架下屋台街ラーメン広場 さかえ ■COLUMN 駅前娯楽の殿堂 パチンコ(吉田栄華) ご注意ください 駅の文字(松村大輔) 絵葉書から辿る 駅前噴水(松崎貴之) 電車を待ちながら 駅前喫茶(難波里奈) ■駅前旅行の手引き 駅前広場、集合! 編集部対談 写真でわかる 駅前豆辞典40 八香駅前御案内図(香山哲) 国際ニュータカギ会館 徳島駅前1975(高木壮太) 駅前文化レビュー(花本武ほか) ◆連載◆ REGULAR ■HEAD LINE リバーサイドモール・LCワールド本巣/詐欺寺/山頂に残された巨大吊橋のある廃遊園地/忘れられた歯科医院/中野区のO邸/竹原市のO邸 ■ミステリーパトロール 小田野フルーツ村/世界唯一狸王国/青山高原の巨大廃遊具/浦山の謎の彩色木彫/医学の温泉 小川ラドンセンター/旅館オリエンタル/三才駅/タイムズマート飯能店/理容 とらさん/拉致ハウス/人面ネズミ屋敷/冒険家の家/武甲山/河原に投棄された手榴弾/玉湖神社 ■ローカル三行はみだし情報 ◆参加メンバー◆ 吉田栄華/松村大輔/松﨑貴之/難波里奈/高木壮太/花本武/よごれん(TEAM酷道)/小嶋独観/ポンチハンター/那部亜弓/鬼束7段/タケピン/吉村智樹/かもす(週末探検隊)/星野藍/香山哲 【ISBN】978-4-9903712-8-9 【判型】A4変型並製(210×259mm) 【頁数】80p(4c48p/2c16p/1c16p) 【発行】2016/12 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】昭和レトロ、鉄道、旅行ガイド、サブカルチャー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
八画文化会館vol.4 特集:日本のワンダーランド伊豆
¥1,650
SOLD OUT
伊豆半島は、日本一のカオス地帯。 伊豆はまさに多面体のワンダーランド。相反する様々な魅力を持つがため、混沌としたパワーが溢れています。 土地や時代からズレて、終わりたくても終われない生々しい状態を愛でる「終末観光」をテーマに日本各地を巡ってきた八画文化会館ですが、今回の特集では、その聖地と呼ぶにふさわしい、キングオブ終末観光「伊豆」を徹底取材しました。 というわけで本特集は、伊豆の「もう1つの観光ガイド」です。 初めて伊豆に行かれる方にはぜひ抑えてほしいスポットを「これが伊豆半島G7だ!!」で厳選紹介。そして「行ってはいけない!? 伊豆ミステリー・ゾーン」では、伊豆の西側の入口である沼津の山中に10年以上存在している「霊界ポスト」の謎を始め、ミステリー地帯としての伊豆の最深部に迫りました。 伊豆半島全体を包むユルんだ空気が生み出す脱力系コネタは「フニャ珍さんぽ DE GO!!」で、また南国の土地から発される陽気でモンドなスポットは「伊豆isびゅーてぃふる!! 昭和モンド観光」として取り上げました。 さらに高度成長期からバブル期の遺産として、熱海の大型観光ホテルを特集。今もっとも注目すべき伊豆の熟した果実です。そして熟れ切って廃墟と化した場所には、朽ち果てていく過程でまた別の魅力が現れます。それらは「決して歓迎されない裏観光スポットへ 伊豆ダークツーリズム」としてビジュアルメインで掲載。 そして特集の最後には、編集部が1年がかりで調査した各エリアの豆情報を、「旧市町村別 探検マップ」にまとめたので、香山哲さんにパノラマ絵図とともにお楽しみに下さい。 ◆特集◆ 日本のワンダーランド 伊豆 ■これが伊豆半島G7だ!! 熱川バナナワニ園/熱海秘宝館/熱海城/まぼろし博覧会/伊豆極楽苑/伊豆シャボテン公園/下田城美術館 ■行ってはいけない!? 伊豆ミステリー・ゾーン 亜細亜国際学院野外活動センター/伊東市の酷道/オバケ洞窟/ムクデン満鉄ホテル/荒井注のカラオケBOX/アニマル邸江戸屋/江戸屋海産・椎名/江戸屋海産・第一 ■フニャ珍さんぽ DE GO!! 天城カントリー工房/伊豆の踊子美術館/izoo/カラオケ喫茶さる~と/伊豆ろう人形美術館/土肥金山/恋人岬/達磨寺/伊那下神社/富士見彫刻ライン/月光天文台/願成就院ほか ■日本の黄金時代の歴史遺産 ~熱海の観光ホテルに泊まろう~ ホテル水葉亭/ホテルニューアカオ/ホテル大野屋/熱海金城館 ■伊豆isびゅーてぃふる!! 昭和モンド観光 下賀茂熱帯植物園/喫茶サンバード/レストラン アサカ/レストラン フルヤ/熱海秘宝館/ピンク座/波勝崎苑/駿河湾深海生物館 ■伊豆ダークツーリズム ~決して歓迎されない裏観光スポットへ~ M病院/戸田港の廃ホテル/J旅館/IOセミナーハウス/牢獄マンション/山間の宿泊施設/ホテルPと商業施設/Fホテル ■旧市町村別 探検マップ 旧市町村別に裏観光スポットとエリア豆知識をマッピングした鳥瞰図。絵師、香山哲。 ■READ ME 消えた「リョテル」の謎(富田昭次) 伊豆半島「仮想南国テーマパーク」(田端宏章) 編集部対談 伊豆は難しい。 父とワカメとバイク(戌井昭人) ◆連載◆ REGULAR ■HEADLINE 森の奥の廃遊園地/美女の里/「航跡」伊丹空港ほか/SALON DE 酔鯨館/廃パチンコ/マルタカ商店/松園観音/玉突/つくりもんまつり/日本海食堂/THE VIBE BAR WILD ONE/わたなべ精肉店 ■終末ヒロイン モノクロZ❤ 国際ニュータカギ会館「短編小説 落日の東京ディズニーランド」(高木壮太) オルタナツーリストレポート(公園遊具/奇食/オレの沖縄/緊急現場/レトロ映画館/ギャンブル飯/モンド建築/未成物件) 投稿! 旅がらすオンザロード 編集部の窓際から ローカル三行はみだし情報 ◆参加メンバー◆ ポンチハンター/小嶋独観/五香亭八角/タケピン/よごれん(TEAM酷道)/鬼束7段/富田昭次/高木壮太/戌井昭人/吉村智樹/ピストン藤井/村上賢司/夢煙夏士/ふゅーりー/あさみん/kyoN/刈部山本/モンド不動産/LEVEL7G/阿部良/遠藤文庫/しちぶー/香山哲/Ellu/渡邊千景/atsushi 【ISBN】978-4-9903712-7-2 【判型】A4変型並製(210×259mm) 【頁数】96p(4c64p/2c16p/1c16p) 【発行】2014/08 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】昭和レトロ、廃墟、珍スポット、旅行ガイド、サブカルチャー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
八画文化会館vol.2 特集:HOTEL NEW ROMANTIC(少し安い返本販売品)
¥1,500
SOLD OUT
※お知らせ※ 新品商品が完売いたしましたので、返品改装品でのお届けとなります。少し安くして出品しております。著しい破損はございませんが、完全な美本ではございません。読んでいただくのに支障のない状態でご用意いたしますので、ご了承いただける場合のみご注文下さいますようお願い申し上げます。 -------------------------------------- 「どうして普通のビジネスホテルにばかり泊まってるんだろうか?」旅の準備中、ホテルを予約するのがめんどくさくなったとき、突然そう思った。ホテルには、ごはん、部屋、風呂、土産コーナーなど、工夫する余地がそこらじゅうにあるはずだ。既存のホテルイメージから、ダイナミックにはみ出したホテルがもっとあってしかるべきである。 しかし、雑誌の特集は定番の温泉宿ばかりだし、ネットで「個性的なホテル」と検索してもダメだ。そもそも、これまでホテルに対して布団とコンセントぐらいしか望んでこなかったので面白いホテルの具体的なイメージが湧いてこない。 そこで、「旅は好きだけど準備はめんどう」という気分が霧散するような、泊まる価値のあるホテルについて真剣に考えてみた。時代にマッチしていた空間が、今では意味が失われて、非日常的な空間に変質しているような「ニューロマンティックなホテル」が、私の求める理想のホテルだと思った。2012年の今だからこそ、新しい視点で楽しめるニューロマンティックなホテルはその存在を知られていないだけで、探せばぼこぼこ出てくるに違いない、そんな予感がした。 しかし、ニューロマンティックなホテルを探す作業は、予想以上に難航した。 ホテル検索サイトの口コミやホテルの公式HPの情報には、本当に知りたいことは書かれていない。肝心のニューロマンティックな部分を、なぜかみんな隠そうとするのだ。(恥ずかしいのだろうか?) たとえば「月世界大温泉」というダイナミックな名前を「紀州備長炭大浴場」に変更してしまったホテル太公望(p6)は、実際に泊まってみなければ、その素晴らしさがわからなかっただろう。手を尽くしたがなかなか出てこないので、観光地じゃない所を観光してる人たちに聞いてみた。 するとレトロ自販機のあるホテル、バブル遺産のホテルなど、思いがけないホテルを教えてくれた。独創的な視点で観光している人たちは、すでに気になるホテルを持っていたのだった。「ホテルが面白い」んじゃなくて、視点さえ持てば「ホテルは面白くもなりえる」のである。ホテルをただの寝床だと思ってる人は、観光の目的地に変えてみよう。もっと旅が楽しくなるはずだ。 君はいったい、どんなニューロマンティックなホテルを見つけられるだろうか? (本文より) ◆特集◆ HOTEL NEW ROMANTIC ■This is SCOOOP!!(宇宙アポロ風呂) ■浴場観光ホテル(太公望) ■南国幻想ホテル(奥道後ホテル/ジャングルパレス) ■THE 自動販売機ホテル(公楽園/長沢ガーデン) ■ホテル・パイオニア(ハトヤ) ■バブルドリーム・ホテル(アルファリゾート・トマム/キロロリゾーホテル ピアノ/ルスツリゾートホテル/エーヴランドホテル) ■ロストモダン・ホテル(西熱海ホテル) ■ホテル・オン・ザ・ロード 国民宿舎 関ロッジ/絵描きの宿 モヘジ/国民宿舎 湯浅城/曽我乃家旅館 ■終末観光ホテル 青年の城/ダンディサウナ ニューグランド/晴遊閣 大和屋ホテル/松山ユースホステル/ホテルニューアカオ/北の京芦別/箕面観光ホテル/船の休憩室/熱海ニューフジヤホテル/民宿まあめいど/ラブホテル エレガンス/サラリーマンホテル/やまき旅館/ホテル西の雅「常盤」/ヤングセンター ■ホテルサミット2012 ~いま僕たちが、一番カッコイイと思うホテルの話をしよう。~ 大山顕、萩原雅紀、バドン3名のドボクエンタテイメント愛好家による観光ホテルの歴史と再評価すべきバブルホテルの盛り上がりについて、徹底討論! ◆注目特集◆ FEATURE ■VIVA!! ローカルパン ビタミンカステーラ(高橋製菓)/イギリストースト(工藤パン)/シベリア(コテイベーカリー)/デセール(ヨシノパン)/かたぱん(長栄軒)/サラダパン(つるやパン)/バナナクリームロール(キムラヤ)/マンハッタン(リョーユーパン)/ロシアパン(高知ヤマザキ)/バンズ(ミカエル堂)/ラビットパン(池田パン)/ゼブラパン(オキコ)ほか全国ローカルパンMAP収録! ■オブジェの多い料理店 ブルボンコーヒーハウス/みやまどり苑/桟食堂/喫茶レストラン ばら園 ■Let’s Study in the ビルマニアカフェ 第一三好ビル/はつ根ビル/みもざ館/三友ビル/相互タクシー北新地のりば/ステーキロン/スエヒロ/食道園/串かつ けん(カプセルハウス フローラ)/ビル・リバーセンター/島田ビル/リバーサイドビルディングほか ■KING OF DIY!! 自作やぐらで選挙に立候補 つちやあきら/地図には載らない「気狂村」の住人 かわさきヒロタカ/KINGたちを理解するための基本事項 ■終末スペシャル「あの世、観光。」 ムカサリ絵馬とは/ムカサリ絵馬はまだ続いている/ムカサリ絵馬はこの場所にしかない/ムカサリ絵馬を解読する/誰が描いていたのか?/ムカサリ3大聖地 若松観音、高松観音、小松沢観音 ■HEARTBRAKE HOTEL 天草パールラインホテル/龍宮園/屋島レストセンター/大川グランドホテル/K観光ホテル/白鳥湖観光ホテル/ホテル大藪 ◆連載◆ REGULAR ■街角秘密倶楽部 今号の一枚/特別編 ニセキャラ製造所大発見!/第2回街角秘密倶楽部AWARDオリジナルマスコット部門/レアキャラ部門/よっ!丸出し部門 ■MYSTERY PATROL イチローハウス/スナック道/お食事&喫茶 くがに家/予科練資料館/山口製菓本店/Kコレクション/上田工房/数河公園/寿老人像/印度寺/御立交通公園/加賀中央公園/樹海の呪い人形/乃木神社 ■文化終末処理場 コスモス自販機/人工衛星饅頭/つくば万博グッズ/ローカル缶詰/8cmCD/徳用マッチ/廃バスラーメン/鍾乳洞絵ハガキ ■COLUMN 追跡!ローカルコンビニ「ナイトショップいしづち」(チカツ) ストリップ劇場 最期の日「石和OS劇場」(那部亜弓) 池袋の謎「10円ビル」(オオモリヨシタカ) 美ら島 美ら唄 オキナワ・ベスト・ミュージック・コンピレーション(高木壮太) 『湯けむりスナイパー』源さんはきっとこんな本を読んでるに違いない(松岡千恵) 謎のロンドン漫画(香山哲) HOW TO!?(花本武・生川隆行) VHSを見よう(花本武) ■ローカル三行はみだし情報 ◆参加メンバー◆ 大山顕/萩原雅紀/小林良/魚谷祐介/チカツ/彩雲4号/小嶋独観/山下陽光/香山哲/田端宏章/坂田哲彦/ほいじんが/鬼束7段/鹿取茂雄/BMC(高岡伸一、岩田雅希、姉崎由美子、阪口大介、井上タツ子)/モンド不動産(Chie社長、あらた部長)/高木壮太/オオモリヨシタカ(おてもと編集部)/那部亜弓/かもす(週末探検隊)/松岡千恵/花本武/生川隆行/遠藤文庫/舟橋蔵人/タケピン/知扇/イル・カポネ/啝/HEBU/オカザキタカオ 【ISBN】978-4-9903712-5-8 【判型】A4変型並製(210×259mm) 【頁数】112p(4c80p/2c32p) 【発行】2012/08 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】ホテル、パン、いいビル、終末観光、廃墟、珍スポット、旅行ガイド、サブカルチャー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
八画文化会館vol.1 特集:終末観光
¥1,572
SOLD OUT
終末観光にいこう ただでさえ観光名所とは言えないような場所に、「目的地に辿り着けないかも」「そもそも目的地が現存しない恐れがある」というリスクまで背負いつつ、それでも一か八か、発見の旅に出る。そんな一般的にはあり得ない「革命的な」旅のスタイルが、一部の間で共感を生み、ウェブを中心に盛り上がりをみせた。 珍スポ、珍寺、廃墟、廃線、酷道、ドボク、団地……。様々な場所が、独自の価値観のもと、観光の目的地に生まれ変わってゆく。「観光地以外ならどこでも観光する」というアナキズムに、私も夢中になっていった。 しかし、物事にはやがて飽きがくる。かつて斬新だった旅のスタイルは形骸化し、「マイナー観光スポット」という新しい定番になりさがってしまった。自分勝手に旅の目的地を作り出してゆくという、姿勢の方こそ大切だったのに、それをすっかり忘れてしまったため、ガイドブックを持って旅する一般的な観光と、変わらなくなってしまった。 一体何が楽しいのだろう? 旅の途中で、ぼんやりと、そんなことを考えることが多くなった。そんなあるとき、すごく寂しい和歌山の海辺で、とっくに営業をやめているようなボロボロの観光旅館を発見した。時代からも地域からも置きざりにされ、そこにあるのに、ないことになっている。廃墟でも珍建築でも珍スポでもない、ボロいのが最大の特徴である旅館。引き寄せられるようにして、そこに泊まっていたときに、ふと閃いた。 私の旅は、終末の旅だ。 「終末」をキーワードに紐解けば、色んなことが腑に落ちる。 ひっそりと運命を受け入れるように、やがてこの世から姿を消すもの。もしくは延命処置を繰り返し、結果的に摩訶不思議な何かに変態するもの。寂れてはいるけど、よく観察すれば、モダンであったり気品があったりするもの。始まりから一貫して、時代や地域からズレっぱなしで「終われない」もの。 物事の終わりの時期には、いろんなドラマが待ち受けている。もちろん、終わってしまった後の状態である廃墟も、魅力的な終末観光地だ。時代遅れになり、地元からも必要とされなくなり、見放されてしまった場所。だけど、今の空気と「ズレ」はじめたとき、不思議な魅力を発する場所に変わる。 終末観光に必要なのは、発見する余地がなくなったような気がしても、それでもなお楽しみを発見するという姿勢を持ち続けることのみ。さあ、好奇心の赴くまま、一緒に新しい世界のごきげんをうかがいに行こう。(本文より) ◆特集◆ 終末観光 ~革命的なニッポンの旅へ~ スネークセンター食堂/笑喜屋衆楽秘宝舎/K華寮/アスカボウル/七洋園/佐世保玉屋/阪神百貨店/丸広百貨店/矢尾百貨店/ピンク座/ラブホテル亜想呼/喫茶マヅラ/King of Kings ■編集部対談「終末観光は新しい旅のスタイルだ」 ■革命的な旅人はすでに終末観光を初めていた!? エロ本小屋(TEAM酷道 鹿取茂雄)/ムロラン・コア(NPO法人 北海道冒険芸術出版 堀直人)/佐和山遊園(ワンダーJAPAN 関口勇)/小原洞窟(珍寺大道場 小嶋独観)/喜楽旅館(日本ボロ宿紀行 上明戸聡) ■終末観光は盛り上がっているか~い!? 渦潮第一マンション/ガマ洞窟/別府秘宝館解体/F集落/みやまどり苑/幸徳観音/公社多摩川住宅プレイロット/貝殻島灯台/トンネル横丁/旧尼崎警察署/芦ノ牧温泉劇場/南知多郷土資料館/桟食堂/金城牧師/ラブホテルD/浦美術館/名画座Ⅱ/ひろしま国際ホテル回転展望階/桃花台ピーチライナー ■ふたたび、町をおこせ!! カッパ村表敬訪問/マスターピースオブYANAI50選 ■突入せよ、軍国酒場 軍国酒保 二等兵/軍歌酒場 戦友/天文館 軍国酒場 ■オルタナティブ温泉を訪ねて ゴールデンランド木曽岬温泉/H穴温泉H奈/川辺温泉/神丘温泉/つぼ花温泉「人間乾燥室」 ■遊郭跡に泊まる 麻吉/新むつ旅館/多津美旅館/静観荘 ■1971年のボウリング 熱海スターレーン/水島国際ボウリング会館/舞鶴マリンボウル/立山グランドボウル/水前寺スターレーン/伊万里スターボウル ■人生を変えるお土産 にわか仮面ワッペン/飛騨街道 旅がらす/たぬきケーキ/臼杵石仏の大仏味噌/幻のゲイ雑誌 ■DEATHCO-GRAPHY FOR THE MODERN AGE S座/モテル北陸/うずしお観光ビル/H保養所/HOTELマイウェイ/錦館/阿蘇観光ホテル ◆連載◆ REGULAR ■「ミステリーだぜ、おっ母さん‼」リターンズ 廃墟にそびえる白い巨塔/キューピーの館/アンテナの家/殉国七士の墓・比良観音霊場/ウトロ地区/石見銀山 千人壺/ナマズ石/たいどう彫刻村/京橋会館/愛犬家殺人事件の廃屋/ラブホテル農協/ロマン書房/平湯大観音/裏メガネ橋 ■第1回街角秘密倶楽部AWARD ■COLUMN 幻の風俗情報誌『Lip』の情報求ム 化石物件探しています ジャケット甲子園 ~8cmシングルCD選手権大会~ 本気のMade in Japan ~真の大人の駄菓子セレクション~ 一発屋の勝負曲(キクリン) 佐野眞一はすべて知っている(山下陽光) 仕事しないで生きるには(田中芳樹・山内哲也) 実録小説 風俗マンションに住んだ男(マングローブ村越) ワンダーJAPAN関口編集長に聞く 雑誌のつくりかた(関口勇) ■ローカル三行はみだし情報 ◆参加メンバー◆ 田端宏章/イル・カポネ//タケピン/ほいじんが/くまお/知扇/林萌/鹿取茂雄(TEAM酷道)/久世高明/鬼束7段/ヨウスケ/関口勇(ワンダーJAPAN)/小嶋独観/村上賢司/舟橋蔵人/那部亜弓/かもす(週末探検隊)/服部智広/伊藤美保子/關根志芳子/マングローブ村越/松本よしふみ/キクリン/山下陽光/田中芳樹/上明戸聡/羞鬼/阿部良/遠藤文庫 【ISBN】978-4-9903712-4-1 【判型】A4変型並製(210×259mm) 【頁数】112p(4c80p/2c32p) 【発行】2011/08 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】終末観光、廃墟、珍スポット、旅行ガイド、サブカルチャー ※通販限定特典は予定枚数に達したため終了しました。ありがとうございました。
-
八画文化会館叢書vol.10 モーテル☆エロチカ 消し忘れ廃墟ラブホテル選集
¥1,100
SOLD OUT
‟ページをめくりながら「この手もあったのか!」と少し悔しい気持ちなった。 昭和40年頃から盛り上がり、現在は絶滅寸前の豪奢な客室のラブホを、私は10年ほど前から撮影し続けている。しかしオープン当時のままのものは皆無なので原初のカタチを知りたければ、過去の写真か設計図に当たるしかなかった。しかし廃墟になったものならば、オープン当時とまではいかないが、閉鎖当時のもの、さらに崩れ落ちた部分からはさらに過去のことも知ることができる。本書で紹介されている物件は経営者が夜逃げした直後のような、保存状態は非常に良いものが多いので、なおさら文化的資料価値を高めている。廃墟なので、一般流通させるには今のご時世的にハードルがどんどん高くはなっているが(嫌な世の中ですね!)、自著とかでも紹介したかった。”(村上賢司/解説より) 昭和40~50年代に列島各地で花開いた「ラブホテル」は、「サカサクラゲ」と呼ばれた連れ込み宿から進化して、アメリカの「モーテル」に影響を受けたりもしつつ、日本特有の性愛空間として定着しました。しかし昭和50年代が終わる1985年には、風営法改正による規制で「ラブホテル」から「ファッションホテル」へと移行。回転ベッドや鏡張りなどの趣向を凝らした部屋は数を減らし、簡素にリニューアルしていきました。 およそ20年の間に威容を誇った昭和遺産ラブホテルは、チープなのにゴージャス。ユーモラスなのにエロチック。時に美しく、時に笑えて、時にエッジの立った独特の性愛文化を繰り広げました。 本書は昭和40~50年代の「ラブホテル」のディテールを、廃墟の中から掘り起こした写真資料集です。 ◆目次◆ ■CONTENTS 舶来デラックス/花魁ランデブー/装置テイスティー/黄昏モダンシティ/宇宙ラブスペース/特殊シークレット/遊園地パーティー □消えゆくラブホディテール標本 特殊ベッド/インテリア/エクステリア □INTERVIEW 那部亜弓 □現役ラブホ愛好家に聞きました!! 逢根あまみ/ONI □解説 村上賢司 ◆著者プロフィール◆ 千葉県出身在住。廃墟とラブホテル愛好を二大柱に活動中。2005年から廃墟探索を開始し、千葉工業大学卒業、就職後から国内海外廃墟を巡る。雑誌の廃墟関連記事に寄稿。一方で昭和の性産業に異常な興味をもち、ストリップや日活ロマンポルノ、雑誌収集を楽しむ。愛染シオンという別名で現役ラブホテルを巡るブログを開設する。趣味は映画鑑賞とダンス。著書に『知られざる日本遺産~日本統治時代のサハリン廃墟巡礼~』(2015)などがある。 ■Twitter @non_ruins @aisiyon ■blog 「愛欲空間 昭和レトロなラブホテル探訪」http://furuyado.blog.fc2.com/ 【判型】A5並製(210×148mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2019/08/01 【著者】那部亜弓 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】ラブホテル、廃墟、昭和レトロ、性愛文化
-
八画文化会館叢書vol.06 チェルノブイリ/福島 ~福島出身の廃墟写真家が鎮魂の旅に出た~
¥1,100
SOLD OUT
頽廃の美しさ、壊れ、汚れ、滅びるものの美しさに心酔する、いち廃墟愛好家だった星野藍。彼女の写真は、2011年の東日本大震災をきっかけに大きく変化することとなった。 故郷である福島が被災したことにより、廃墟を撮ること自体ためらわれる時期もあったというが、その後チェルノブイリを2度訪れ、福島の立入禁止区域を中心に傷ついた故郷をファインダー越しに見つめ続けてきた。 原発事故によって廃墟と化した、ふたつの土地。 彼女はふたつの土地の現在と過去を辿るように、カメラを片手に旅をした。 丹念に撮られた写真を見ていると廃墟のなかに死の影ではなく、瓦礫の下に息づく生命の力が感じられる。写真を撮る側の、目と心が変わらなければこの種の変化は起こらないだろう。 ネット上でも写真集でもたくさんの廃墟写真を見ることはできるが、撮られる意義のあるものは少ない。ここに写っているもの、書かれた言葉は世の中に出るべきものだと思い、本書を編集した。 第1章では、町ごと廃墟となったチェルノブイリの姿を、第2章では放射能とともに力強く生きる現地の自主避難民「サマショール」との出会いや、観光地として逞しく生きる原子力発電所内部の様子を、第3章では2013年から15年にかけて継続して撮られた震災後の福島の街並みを写真と文章により記録した。 ひとりでも多くの方に見ていただきたい、等身大の真摯なフォトブック。 ◆目次◆ ■第1章 廃墟と化したチェルノブイリ プリチャピのシンボル廃遊園地/ガスマスクの海が広がる小学校/子供たちを待つ人形の幼稚園/儚き願いは遠く、悲哀の廃教会/都市の文化複合施設 文化宮殿/ステンドグラスが神々しい喫茶店/共産時代の名残り見ゆる市民会館/全ての医療を担う巨大総合病院/働く車が裏手に残る警察署/放射能の影響を研究 生物実験場/婦人勤労のトランジスタ工場/共産圏の魅力が凝縮した軍事施設 ■第2章 放射能と生きる サマショールの暮らし/原子力発電所を見学する/観光化するチェルノブイリ ■第3章 震災後の福島へ 双葉町/大熊町/浪江町/飯館村/富岡町 解説 中筋純 ◆著者プロフィール◆ 福島県福島市出身。写真家、UI&グラフィックデザイナー、書道家。幼年より慕う従姉の死をキッカケに廃墟を追い始める。軍艦島から始まり、気がつけば遠い遠い彼の地へ。旧ソ連、未承認国家、廃墟マニア。 Web「無何有郷」: https://www.satian39.com/ blog「SATIAN/39 廃墟の影片」: http://21152.blog2.fc2.com/ 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2016/08 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】星野藍 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】チェルノブイリ、福島、原発問題、廃墟
-
八画文化会館叢書vol.05 ロマンチック廃醫院
¥1,100
SOLD OUT
明るく哀しい廃醫院の世界へようこそ “廃墟の医院という一般的には暗くて怖そうな近寄りがたい場所も、歴史を紐解くと興味深い。地方の廃医院の多くは個人の開業医で、代々続く医業の家系も多い。跡継ぎが途絶えた、町に出て行った等、廃れた原因は様々だろうが、地域医療に貢献してきた彼らは間違いなくその地のヒーローだった。そんな彼らへのリスペクトの目も忘れることなく、当意即妙なネーミングを以て展開されるタケピンの廃医院ワールドは、我々にひとときのファンタジーを見せてくれる。そこは簡単にはたどり着けないが、確実に日本のどこかに存在する、廃医院という日常の隣にある異空間だ。”(解説より) 「廃病院」とは違う、「廃医院」の魅力とは一体なんなのでしょうか? 「病院」は20床以上の巨大な医療機関のことを指し、「医院」や「診療所」はそれ以下の規模が小さいところがそう名乗ることが多いようです。 「廃病院」というと、鉄筋コンクリートの巨大な総合病院を思い浮かべてしまいます。そこは肝試しのメッカとなって心霊スポット化したり、放火されたりと、とかくダークなスポットと見られがちです。 「廃医院」は、そういった既存の廃病院のイメージとは異なり、明るくて哀しいのです。そしてロマンチックで美しくもあります。明治、大正、昭和頃の小さな個人医院には、和洋折衷建築があったり、また残留物として残る見たこともない医療器具など、稲垣足穂の世界が広がっているかのようです。 広島の探索系廃墟マニアである「PARADISEを探して」管理人タケピンが、西日本を中心に、足で稼いだオリジナル物件をメインに全国13軒の廃医院を美しいビジュアルと探索レポートで構成した珠玉のフォトブックをお届けします。 ◆目次◆ ■Contents Z医院/アゴがハズれかけた診療所/ミニバラ医院/玉の字医院/コの字病院/小さな島の小さな廃医院/ドロイド医院/瀬戸内の廃医院/明治医院/港町の公営診療所/崖っぷち医院/壁医院/桜医院 □リアリズムの廃宿 地元に残された謎に迫る うずしお観光ビル/ホテル次五郎/山花旅館 □解説 鬼束7段 ◆著者プロフィール◆ 1974年、広島県生まれ。ウェブサイト「PARADISEを探して」管理人。探索系廃墟マニア。ジャンルは何でもあり。常に知られざる未開の地を追求し、ターゲットは広範囲。外出先では野性の嗅覚で廃墟および珍スポットを射止める。逆に現地の人からの冷たい視線が刺さることもある。2010年旗揚げ時より、八画文化会館にメンバーとして参加。 「PARADISEを探して」 http://www.tok2.com/home/nandemoari/ 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2015/12 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】タケピン(WEB「PARADISEを探して」主宰) 【デザイン】吉川英男(nout) 【ジャンル】廃墟、レトロ、モダン
-
八画文化会館叢書vol.02 公園手帖 コンクリート動物百景
¥1,100
SOLD OUT
消えゆく昭和の原風景 コンクリート文化を懐かしむ大人たちへ 団地の中にも、近所の児童公園にも、昭和後期の遊び場の風景には、公園遊具がありました。1960年代から盛んに作られるようになったコンクリート製の公園遊具が、しかし、いまその姿を消そうとしています。 鉄筋コンクリート製建造物の耐用年数は50年程度と言われていて、そろそろ寿命を迎えつつあるからです。そして新しくFRP(繊維強化プラスチック製)やステンレスなどの素材にとって変わられています。 コンクリート製の公園遊具は、とても素朴。現代の子どもたちには刺激が足りないかもしれません。その頑丈な硬さゆえに頭をぶつけてしまったり、ツルツルと滑りすぎてしまったりもします。アスレチックのような複数の遊具がつながった、ダイナミックな遊び方ができる新素材の遊具の方がおもしろいと思うのは当然でしょう。 だからこそコンクリートの公園遊具は、これからもなくなり続けるでしょう。公園遊具は子どもたちのものですから。そして、私たち大人の原風景は消えていきます。 本書は失われつつあるコンクリート製の公園遊具を、全国から探し歩いた記録です。写真集というかたちで、ずっと身近にあると思っていた原風景のひとつを保存しました。 様々なバリエーションのある公園遊具のなかでも、可愛らしくキッチュな動物を100体、種類ごとに紹介しています。「ぞう」や「くじら」といった公園遊具のクラシックから、あんこう、金魚など、遊具としては珍しい「水の生き物」、らくだ、にわとり、きりんなどの「ゆかいな動物たち」まで揃い、まるで動物園に遊びに来たかのよう。 公園遊具を楽しむためのポイントや対談、ユニークな動物ライド紹介、『ワンダーJAPAN』(三才ブックス)の「楽しい公園遊具」コーナーを担当していた久世高明氏による解説もあり、写真だけでなく読み物としても充実した一冊です。コンクリート文化を懐かしむ大人たちに贈ります。 ◆目次◆ ■ぞう ■くじら ■水の生き物(かに、かめ、ちょうちんあんこう、さかなetc.) ■ゆかいな動物たち(にわとり、くじゃく、うさぎ、きりん、いぬぞり、らくだetc.) ■むし(かえる、おたまじゃくし、かたつむり、かまきり、てんとうむしetc.) □コンクリートでできた動物遊具を楽しむ4つのポイント □at the park □ユニークな動物ライド(ぱんだ、わに、らいおん、かばetc.) □公園手帖 コンクリート動物百景対談 □解説 久世高明 ◆著者プロフィール◆ 名古屋生まれ、名古屋育ち。おもしろいもの、珍しいもの、くだらないものが好き。普段は普通の会社員。休日は旅をしながら、気になる光景を探しています。 「BQ ~B-spot Explore~」 http://papicocafe.blog.fc2.com 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2014/12 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】あさみん 【デザイン】中田舞子 【ジャンル】公園遊具、路上観察、昭和レトロ
-
八画文化会館叢書vol.01 ビックリ廃墟ジャーナル
¥1,100
SOLD OUT
1990年代後半から現在に至るまで、ネットを中心に盛り上がりをみせる廃墟カルチャーは、魅力的な廃墟の発見と、廃墟マニアの主観を掛け合わせることで成り立ってきた。 同じ廃墟マニアでも、廃墟のどんな部分が心の琴線に触れるかは千差万別である。ひとつの廃墟が、心霊スポットだと思ったら貴重な産業遺産だったり、芸術的に美しい風景と思ったらコスプレポーズをキメる背景として利用されたりと、訪れた人間のセンス次第で、その価値はコロコロ変わるのだ。 しかし、そんな廃墟マニアのなかに、知的好奇心や芸術的センスを持ち合わせていないのにも関わらず、動物的な直感で数多くの廃墟を巡る不思議な人たちがいた。それが、本誌の著者RUINS 4 MAFIAの4名である。彼らが愛好する廃墟に共通するのは、本誌のタイトルにあるとおり「ビックリした!」という感嘆だけである。 私は、4人と交流があるからよくわかるのだ。そんなのばっかり見つけては喜んでいるのだ。では一体、彼らは何に対してビックリしているのだろうか? それは、廃墟に残された謎(ミステリー)と、刺激(スリル)と、混乱状態(パニック)である。 正確には、謎と刺激と混乱があれば、廃墟であってもなくても良いのだ。ただ、廃墟にそれらが多いというだけである。廃墟という場所が、地域から黙殺されて忘れ去られたとき、誤解の余地が生まれ謎に包まれてゆく。彼らは、その状態が一番面白いということを知っているのだ。 だから、積極的に調査分析したり、記念ポエムを一句詠んでみたり、キメポーズで自撮りしたりしない。ただ、豆鉄砲をくらったハトのようにビックリ(感動)しているのだ。鮮烈な感動と俗物感丸出しの好奇心。それこそが彼らが旅に出る理由であり、旅の目的地が廃墟である理由なのだ。 そんな本誌は「八画文化会館叢書」シリーズの記念すべき第一弾である。八画文化会館叢書とは、2011年に東京で創刊したトラベルカルチャーマガジン『八画文化会館』からスピンオフされたシリーズで、根底にあるのは、一般流通できない題材や著者をフックアップして、冊数限定で直販売するというインディーズ精神だ。一般流通では決して取り扱ってくれないドープな記事が詰まった本誌は、まさにシリーズ第一弾にふさわしい企画である。(解説より) ◆目次◆ ■ミステリー 科学では証明できない!21世紀に残されたミステリアスな廃墟に迫る!! 01…髑髏塔 02…イジメもやまる日本発祥の地 03…オブジェだらけの廃園 04…舞鶴朝鮮初中級学校 05…18禁の竹やぶ 06…小豆島大孔雀園 ■スリラー 日本列島が大震撼!信じられない怪奇な廃墟があなたを呼んでいる!! 07…ラブホテル・セリーヌ外伝 08…お山公園洞窟 09…キューピーの館 10…赤い糸と釘の家 11…魔女の館 ■パニック 廃墟に潜む、怪人、怪獣、幽霊達の大パレード! 無事に生還できるか!? 12…洞窟大探険「恐竜の世界」 13…K湖野猿公園「何か変だな? まっ暗な部屋」 14…志高ユートピア「幽霊屋敷」 15…Rロープウェイ人形小屋 □ビックリ廃墟ジャーナル □解説 酒井竜次 ◆著者プロフィール◆ Punch-Hunter KUZE 廃墟歴30数年。主に関東を中心に活動し、珍スポ系の廃墟を愛好している。特にブキミな姿となった人形が大好物で、それをオカズにご飯3杯は食べられると豪語する。コードネームはチキンのジョー。 「ポンチハンター」http://www5f.biglobe.ne.jp/~punch-ht/ Takeping 廃墟界の怖いもの知らず暫定3位。数々の難攻不落の廃墟を運に恵まれたり釣り人を装ったりして攻略する。しかし繊細な面もありウエットティッシュを常備する。廃墟パートナーの嫁にトイレが長くてよく怒られている。 「PARADISEを探して」http://www.tok2.com/home/nandemoari/ Ill Capone はじめての廃墟から早10年。はじまりは「廃墟の歩き方」との出会いであった。廃墟との出会いが自己の宇宙的概念を一変させ、それまでの生活様式が一変する。よって大学卒業に11年を要した。好きなビートは16ビート。 「TALKIN’ TRASH」http://talkintrash.fc2web.com/ Juicy EYE 初めて訪れた廃墟、奥多摩のロープウェイで偶然、心霊写真の撮影に成功。以降オカルト、ミステリー系の廃墟を愛好するも、ヘタレな性格が災いし、現場でのポジションは最後尾。廃墟発見時の合言葉は「トラ・トラ・トラ」。 「八画文化会館」http://hakkaku-culture.info/ 【判型】A5並製(210×148 mm) 【頁数】32p(オールカラー) 【発行】2014/12 【限定】1000部限定発売、シリアルナンバー付き 【著者】RUINS 4 MAFIA 【デザイン】中田舞子 【ジャンル】廃墟、終末観光、珍スポット、オカルト、心霊スポット、ミステリースポット